日本共産党の主張する民主主義は異質の民主主義

 

 

 

民主主義ってなんだ? 何かを決める場合、みんなで話し合って、多数決で決めるのが民主主義ではないのか? 特定の政治傾向を持つ政治団体が、自分たちの主張を、みんなの意志だと主張して、自分たちが勝手に決めたみんなの意志を実現するのが民主主義ではない。

 

 

 

しかし、日本共産党の主張する民主主義とは、まさに後者の民主主義である。「民意」なるものを勝手に作り上げて、それに従うのが民主主義と主張する。これでは、独裁主義、あるいは、全体主義と変わらない。日本共産党は、自分たちを「みんなの党」だと主張する。だから、自分たちへの批判者は、みんなの反対者だと言う理論である。まったく、受け入れられない。

 

 

 

以下は、日本共産党系の社会科学総合辞典の民主主義の項目であるが、「民衆の支配」を民主主義と定義している。

 

 

 

「民主主義」

 

国民主権を基本とする政治形態、および成員の意思決定への参加が十分に保障されている組織のあり方や、それをめざす思想、運動をさす。語源はギリシャ語のデモクラティアで、「民衆の支配」を意味し、古代ギリシャでおこなわれていた奴隷と婦人をのぞく全市民が直接政治に参加する統治形態をさしていた。古代の民主主義は奴隷制支配の上に成立したものである。その後17、18世紀、封建的、絶対主義的支配を打倒したブルジョア革命の背景となった思想、および実現した政治形態を近代民主主義という。ホッブズ、ロック、ルソーらによって理論化されたその思想は、人間の自由と平等、基本的人権、人民主権、革命権などを基本原理とした。その典型的な表現は、アメリカ独立宣言(1776年)、フランス人権宣言(1789年)にみられる。近代民主主義は、搾取の自由を絶対視するなど、本質的にはブルジョアジーの利益を代表し、自由と平等は法のもとでのそれにとどまり、民主主義の実現はブルジョアジーの支配に役立つ範囲内にかぎられていた。19世紀、プロレタリアート解放の思想・運動として生まれた科学的社会主義は、近代民主主義を継承、発展させ、搾取の廃止、階級対立の廃絶を実現することによって、その限界を克服する実質的裏付けをあたえ、真の民主主義実現のための道すじを明らかにした。とくに民族自決権の完全な保障を民主主義に不可欠な原理としてはっきりと提起した。また、男女同権と女性の参政権など政治的市民的自由をいっそう充実・発展させた。科学的社会主義は、国家権力そのものが死滅し、国家形態としての民主主義そのものが不要となるようないっさいの強制と隷属のない「真に平等で自由な人間関係の社会」である共産主義社会の建設を展望している。

 

 

 

自由な言論活動があってこそ、世の中は発展する。各人が、自分の意見を堂々と主張し、世論が練り上げられていく。競争原理も働く。そして、日本は発展し、みんなが幸せになるのである。民主主義の基本理念は、イギリスの哲学者であるベンサムやミルの功利主義の主張する「最大多数の最大幸福」であった。特定の価値を、みんなの利益と決めつけて、実現するものではない。